こんにちは。
今回は、サポーターのフェルナーさんから、マラウイの水のお話が寄せられました。
生活する上で、とても大切な水。フェルナーさんが訪れたマラウイのある農村地域の人たちは、どのように水を使っているのでしょうか?
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マラウィの村における飲料水の話
私は、2008年に大学院の研究調査でアフリカ南西部に位置するマラウィへ行きました。今回は、その時の調査対象である農村60集落、約1200世帯の「水」の現状についてレポートします。
調査地には、大きく分けて3つの水源がありました。
最初の写真は比較的深い層から地下水を汲み上げる深井戸です。汚染物が井戸内に浸透しにくく、水質も良好です。
村人のほとんどはここから汲み上げた水をそのまま飲用しています。1200世帯中、768世帯(64%)が利用しています。

2つ目は、 内部がレンガ、周りはセメント等で保護された浅井戸です。汲み上げるときは、バケツにひもをつけ水面まで降ろし汲み上げます。汚れたバケツで汲み上げる上、井戸には蓋がなく、あったとしてもトタンを被せる簡易的なものであるため汚染物が簡単に侵入します。そのため、水が汚染されています。1200世帯中、156世帯(13%)が利用しています。

3つ目は、地表を数センチ掘っただけの裸井戸です。家の裏に個人で作ったり、直径80センチ、深さ1m程の大きな裸井戸を共同で使用したりしています。写真で見るとおり水は濁っており、家畜が放し飼いされているために衛生状態は悪いです。雨期には流されてなくなります。1200世帯中、276世帯(23%)が利用しています。

水源の利用方法は、規則で決められています。深井戸がある村とない村には水利用のパターンに大きな違いがありました。例えば、A村との境界に近いB村の家では、すぐ近くにA村が所有する深井戸があっても、その家の人は往復30分かけてB村が所有する遠くの裸井戸まで水汲みに行きます。お金を払えばB村の人でもA村の深井戸を使ってもよいのですが、平均して一日に3~5回も水汲みに行く為、その度に出費する人はほとんどいません。
裸井戸を使う人の飲用状況をみると、40%の人は煮沸等を行ってから飲用するのに対し、60%の人は濁り水をそのまま飲用していました。
なぜ、その状況が改善できないのでしょうか。調査を進めていくとわかってきたことがひとつありました。水を処理しない世帯を地図上にプロットすると、それらの家々は学校や病院などの教育の場から離れていたり、大きな川によって他集落と分断されたりしていました。
さらに、水の処理をしない集落の隣の集落も同じく衛生状況が非常に悪いことがわかりました。飲用水だけでなく、トイレの利用や手洗いも同じように悪い状況でした。これらの地域では情報源が限定され、教育が普及していないという地理的状況が見えてきたのです。飲用水として利用するために処理を施す知識、トイレの後に手洗いをする習慣、マラリアにかからないように蚊帳を使う習慣などがなく、衛生教育が伝わっていないために引き起る現象なのではないかと考えます。他地域では保健所の指導により、これらのことは良く認識されていました。
ここで紹介したのは衛生面のごく一部のことで、水源へのアクセスが難しかったり、きれいな飲用水がなかったりする原因は他にもあり、外部者が簡単に踏み入れることができない政治的な事情もありました。インタビューでは、自身の集落の歴史や成り立ちから、統治者によって自由が侵害されていることを説明してくれる人もいました。そして、深井戸が何十年も設置されない状況は今後も変え難い事実だと話してくれました。
根本的な問題は、表面には現れ難いことですが、それが一番最も重要なことだと思います。私の水に対する意識が大きく変わったのは、このような状況を目の当たりにして以来でした。
今回は、サポーターのフェルナーさんから、マラウイの水のお話が寄せられました。
生活する上で、とても大切な水。フェルナーさんが訪れたマラウイのある農村地域の人たちは、どのように水を使っているのでしょうか?
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マラウィの村における飲料水の話
フェルナー祐加(アフリカ理解プロジェクト・サポーター)
私は、2008年に大学院の研究調査でアフリカ南西部に位置するマラウィへ行きました。今回は、その時の調査対象である農村60集落、約1200世帯の「水」の現状についてレポートします。
調査地には、大きく分けて3つの水源がありました。
最初の写真は比較的深い層から地下水を汲み上げる深井戸です。汚染物が井戸内に浸透しにくく、水質も良好です。
村人のほとんどはここから汲み上げた水をそのまま飲用しています。1200世帯中、768世帯(64%)が利用しています。

2つ目は、 内部がレンガ、周りはセメント等で保護された浅井戸です。汲み上げるときは、バケツにひもをつけ水面まで降ろし汲み上げます。汚れたバケツで汲み上げる上、井戸には蓋がなく、あったとしてもトタンを被せる簡易的なものであるため汚染物が簡単に侵入します。そのため、水が汚染されています。1200世帯中、156世帯(13%)が利用しています。

3つ目は、地表を数センチ掘っただけの裸井戸です。家の裏に個人で作ったり、直径80センチ、深さ1m程の大きな裸井戸を共同で使用したりしています。写真で見るとおり水は濁っており、家畜が放し飼いされているために衛生状態は悪いです。雨期には流されてなくなります。1200世帯中、276世帯(23%)が利用しています。

水源の利用方法は、規則で決められています。深井戸がある村とない村には水利用のパターンに大きな違いがありました。例えば、A村との境界に近いB村の家では、すぐ近くにA村が所有する深井戸があっても、その家の人は往復30分かけてB村が所有する遠くの裸井戸まで水汲みに行きます。お金を払えばB村の人でもA村の深井戸を使ってもよいのですが、平均して一日に3~5回も水汲みに行く為、その度に出費する人はほとんどいません。
裸井戸を使う人の飲用状況をみると、40%の人は煮沸等を行ってから飲用するのに対し、60%の人は濁り水をそのまま飲用していました。
なぜ、その状況が改善できないのでしょうか。調査を進めていくとわかってきたことがひとつありました。水を処理しない世帯を地図上にプロットすると、それらの家々は学校や病院などの教育の場から離れていたり、大きな川によって他集落と分断されたりしていました。
さらに、水の処理をしない集落の隣の集落も同じく衛生状況が非常に悪いことがわかりました。飲用水だけでなく、トイレの利用や手洗いも同じように悪い状況でした。これらの地域では情報源が限定され、教育が普及していないという地理的状況が見えてきたのです。飲用水として利用するために処理を施す知識、トイレの後に手洗いをする習慣、マラリアにかからないように蚊帳を使う習慣などがなく、衛生教育が伝わっていないために引き起る現象なのではないかと考えます。他地域では保健所の指導により、これらのことは良く認識されていました。
ここで紹介したのは衛生面のごく一部のことで、水源へのアクセスが難しかったり、きれいな飲用水がなかったりする原因は他にもあり、外部者が簡単に踏み入れることができない政治的な事情もありました。インタビューでは、自身の集落の歴史や成り立ちから、統治者によって自由が侵害されていることを説明してくれる人もいました。そして、深井戸が何十年も設置されない状況は今後も変え難い事実だと話してくれました。
根本的な問題は、表面には現れ難いことですが、それが一番最も重要なことだと思います。私の水に対する意識が大きく変わったのは、このような状況を目の当たりにして以来でした。





