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アフリカ理解講座ものづくりとアート&ファッション2019
アフリカ理解プロジェクト主催 
第1 回講座 世田谷美術館アフリカンアートツアー
2019年2月23日(土)世田谷美術館10:00~12:00
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現在展示中の「アフリカ現代コレクションのすべて」は、これまで伝統的な仮面や素朴な民衆絵画が中心だったアフリカ美術の日本の動向に一石を投じ、欧米でも注目され精力的に作品を制作するアフリカのアーティストを紹介しています。この機会に、アフリカ理解プロジェクトが、解説付き鑑賞ツアー
を企画しました。
<プログラム>
10:00 美術館入口集合
10:15-10:45 レクチャー(美術館学芸員)
10:45-11:15 アフリカ展示室(鑑賞)
11:15-11:30 美術館の建築ツアー
12:00 自由解散
13:00オプショナル美術館ワークショップ「アフリカンバザール」

心地よい日差しのなか、アフリカンアートに関心を持つ29名(含スタッフ)のみなさんが集まり、半日ツアーを開始しました。

現在(2019/2/26)展示中の「アフリカ現代美術コレクションのすべて」
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集合時間前には、本講座の参加者のみなさんの姿が

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美術館入口で、学芸員の方の説明を受ける
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レクチャールームに移動。まずは、「世田谷美術館とアフリカンアートの歴史」及び「アフリカンアートが着目されていった世界の歴史」について美術館学芸員塚田美紀さんからレクチャーを受けました。
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アフリカンアートが世界的に注目されたのは、パリにて1989年に行われた「大地の魔術師」とのこと。
なんと、世田谷美術館でも同じ年にガーナ出身のサカ・アクエ氏の個展を開いてたそうです。その後も1995年に西アフリカ、中部アフリカの現代作家作品を展示してきており、当時の作品をはじめ、アフリカンアートと縁ができたそうです。この1995年の展示「インサイド・ストーリー: 同時代のアフリカ美術」の開催にあたり、アフリカに赴き、ユニークな作品収集を行った川口幸也氏が撮影した写真等も紹介してもらいながら、作品がどのような場所で制作されたか等の作品背景の説明も受けました。
イッサ・サンブの作品は、セネガルのゴレ島で制作されており、その背景には海が!塚田さんから、「美術館内で見るとまた違った作品に見えると思います」と説明を受けましたが、この後実際の作品を見て、納得でした。

その後、展示室にて自由に鑑賞。展示室入口に、1995年にガーナからやってきたマネキンがお出迎え。
華やかなパーニュ(アフリカ布)をまとい、出迎えてくれました。
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展示室には、西アフリカの看板アート、写真、そして塚田さんから事前に説明頂いた作品がずらりと並んでいました。ゴレ島で制作されていた作品は、動物の作品でしたが、その毛並みは大きな釘で表現されていました。洗練された室内で見る釘の毛と、海を背景に制作されていた写真では、大きく印象が違いました。また、ナイジェリア出身の女性作家の作品はブリキを使って制作されているのですが、かたい素材でできてるとは思えない躍動感、質感、しなやかさを感じ、アフリカの強い力が伝わってきました。(展示室は撮影不可)
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アフリカンアート鑑賞後は、世田谷美術館建築についても案内いただきました。特徴は天井が曲線があること。また、階段など、雫が水面に落ちた時の渦の広がりを表した形になっていることなど、言われてみれば、確かに。。という点を多々レクチャーいただきました。そして、なんと、美術館の展示作品によっては窓が開く時期があるとのこと!その景色は圧巻だそうです。
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展示によってはこの窓が開きます!

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最後は有志で美術館内の「SeTaBi Cafe (セタビカフェ)」で今日の感想や、アフリカに関する情報交換を行い、更に、美術館のワークショップイベント(「アフリカン・バザール」)で、カラフルなアフリカ布やビーズ等を組合せて銘々インスピレーションに従い没頭しました。

芸術鑑賞日和の中、「観る・食べる・創る・アフリカを学ぶ」充実した1日になりました。
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おしゃれなカフェです。
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美術館では、子どもだけでなく大人も楽しめるワークショップを開催しています。
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<参加者感想>
・すばらしい企画だった。日本でアフリカ美術にフォーカスしたツアーは数が少ない。レクチャー付きのツアーはアフリカンアートを理解するのに役に立った。活力をもらえた。

・学芸員の方のレクチャーや建物見学ツアーですっかり世田谷美術館のファンになりました。

・世田谷美術館には素敵な作品があるとわかりつつ、ちょっと行きづらいためなかなか行く機会がなかったが、本イベントをきっかけに来ることができてよかった。また、学芸員の方から説明を受けることで、作品をより身近に感じることができた。

・アフリカに興味のある方々が参加されているため、色々な情報も聞くことができた。
・普段「アフリカ」と名がつくイベントでも西アフリカにフォーカスが当たっていることは少ないなか、本日の作品のなかには大好きな「ガーナ」に関する作家の作品がありとてもうれしく思うと共に、その作品の背景の説明を受けることができ、とても濃密な時間だった。

・オプショナルの「アフリカンバザール」でのブローチづくりも楽しかった。

・今年度のアフリカ理解プロジェクトは「モノづくり」をテーマにしているとのことなので、今後のイベントも楽しみである。

(文・写真:アフリカ理解プロジェクト織田未那子 写真:白鳥くるみ)